SМクラブの控室。彼女だけは異彩を放ってた。カタカタカタカタ…ノートPCで何やら書いている。
お客さんだよと呼ばれると、パタンと閉めて出かけていく。
色白黒髪美人の彼女は女王様をしていたけれども、稼げるからと途中でМ女の仕事もするようになった。身なりも綺麗。でも誰とも喋らないんです。
一体どんな人だろう?
夕食を買いにコンビニに行こうと立った時、たまたま彼女も立ち、
じゃあ一緒に行こうよという話になり話をしているうちに、彼女は学生だという。
学校名を聞いて「スゴイね。あそこ良い大学よね」と話が弾む
だいぶ苦労しているのではと思ったけれども彼女が誘ってくれたサウナで聞いた話は壮絶だった。
「私、孤児なんだよね。西川口の本サロ(本番ありのピンクサロン今はない)に
年齢誤魔化して働いて(今は不可能)作ったお金で今の大学入ったの。
〇〇大学の法学部といえば、部屋貸してくれるし、皆が信用してくれる。」
しかも、彼女の両親はわからず、戸籍の両方が空欄。戸籍から作らねばならず
彼女の名前は当時の新宿市長が付けたそうです。
〇〇〇子というのだけど、百貨店の名前、拾われた季節がその季節だから四季を入れての子で名前を
付けたそうだ。
棄てた母が彼女を思い出した時、探した時に彼女が私の子なのではとすぐ気が付くように。
あのノートパソコンずっと叩いていたのも、レポート課題を出すからだったようだ。
読んでいる本も全て学校の図書館から借りたもの。質素で贅沢しない。
サウナの中で彼女の異常に気付いたんです。汗をかかないのだ。サウナでですよ。
肝臓が悪いんだなと思ったんですよ。かなり彼女、飲むし。
ほどなく彼女は卒業と同時に法律事務所に勤めて
同じ法律事務所のカレと結婚したのもハガキで知りました。一緒にお茶しようねと言った矢先、
彼女は亡くなりました。肝硬変でした。
これから幸せにならなきゃいけないのに…
女優さんもキャストも短命な人は短命です。
どうか彼女たちが光り輝いていた時代を見てあげてください。